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椿坊主と海坊主。


海から頭を出すのが海坊主。
塀から頭を出してこちらは、椿坊主。

海坊主は、平らなところからぬんと盛り上がるから
誰でも「出た」と分かるのであるが、
椿坊主は、あらかじめ出ているため
「む、出たな」と気づきにくいのである。

加えて海坊主は見たものを異界に導くとされて
恐れられているが
椿坊主はなにもしないので、恐れられたりしないのである。

ある時点から別の時点へと
派手に変化があり
その変化が状況を劇的に変える、
いや
実際に変えなくても
変化とその激しさが予想されれば
実存でなくても
おもしろがり、かつ恐れ、かつ記憶するのが
人間というものなのかもしれない。

今を今としてきわだたせて理解するために
ぬんと突き出るように
彼岸、
日常の平らかなるところに
懐かしく、恐ろしく、
見えなくても
海坊主よりもきっぱりと到来。

椿
日常の平凡を平凡に咲いて
その凡たるところの
愛おしさ、
彼岸の入りなればこそ
また、ひとしお。

 


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