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山椒を煮る。

 

黒保根という地名の歴史は古く、万葉集に登場する。

上毛野 久路保の嶺ろ(くろほのねろ)の久受葉(くずは)がた
愛(かな)しけ児らに いや離(ざか)り来も


桐生−足尾を結ぶ122号線。
道すがらに道の駅 黒保根「やまびこ」。
ここで、摘みたての山椒の葉を買った。
昨日のことである。

「今年は寒さでこの時期採れる山椒は去年の半分だね」

タラの芽 白うど わらび かき菜 山の蕗

屏風のように立つ山並みの緑をそのままならべた売場の上で
たしかに去年より少ない山椒の葉のスペース。
一抱え買う。


この世で一番上手いと感じた食べ物は何か
というインタビューがあり
迷うこと無く
祖母が漬けた梅酒の梅、と答えたことがある。
母方の祖母は手まめでいろいろなものを拵えた。
こんにゃくも玉から育て、自家製のものを作っていた。
山から山椒を摘んできて新聞紙一杯に広げる。
ゴミや棘を取り払うのを手伝った。
山のような手間仕事の山椒が
ひと壜の山椒煮になってしまう。
幼い頃からこの味。

祖母が作った山椒煮の味をたよりに
自分で拵えはじめてから
どれくらい経つだろうか。

年にこの時期だけ
厨房に広がる
しびれるような晩春の香り。

メシによし、酒によし。




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